マンション売却時に税理士や弁護士は利用すべき?主な依頼項目と料金相場

マンション売却時に税理士や弁護士は利用すべき?主な依頼項目と料金相場

自宅マンションを売却する人のほとんどは、不動産の売却経験がありません。

ところが、不動産を売却する売主には、税金に対する「税法」や契約に関する「民法」、不動産取引に関する「不動産法」など、ある程度の法律知識が必要。

そのため、法律の知識がない状態で自宅を売りに出すと、確定申告をする時や契約トラブルが起こった時に困ることになるのです。

そんな時に、売主の心強い味方になってくれるのが、税金や法律の専門家。

確定申告や納税など、税金のことで困ったときは「税理士」、契約や権利関係などで困ったときは「弁護士」が売主の相談にのってくれます。

しかし、日頃から「税理士」や「弁護士」を利用している人はほとんどいません。

そこで「税理士」と「弁護士」の2つの専門家について「依頼できる項目」や「料金の相場」など、詳しくご紹介します。

はじめに、売主が税金のことを相談できる「税理士」から見てみましょう。

税理士には何が依頼できるの?

税理士は「税金関係の専門家」であることは何となく予想できます。
では、自宅を売却する売主は、どのようなことを税理士に頼めるのでしょうか?

売主が税理士に依頼できる業務は主に3つあります。

1、税務代理

確定申告やその他の税金に関する申請手続き、税務調査の立ち会いなど、税務署に対して「依頼者の代理人」となることを依頼できます。

2、税務書類の作成

確定申告やその他の税金に関する申請など、主に税務署に提出する書類の作成を依頼できます。

3、税務相談

税金の計算や確定申告書の書類作成など、税金に関することは何でも相談できます。
税金の計算や確定申告書の書類作成など、税金に関することは何でも相談できます。
このように、確定申告の書類作成や税務署への提出の代行、税金に関する疑問や不安などの相談など、売主は税金に関するほとんどのことを税理士に依頼できます。

なお「税務代理」、「税務書類の作成」、「税務相談」の3つの業務は、有償・無償に関わらず、税理士の資格がない者が行うことはできません。(税理士法第52条)

しかし、税理士に依頼すると費用もかかるので、自宅を売却した場合、確定申告の書類作成や税務署への提出は売主が自分で行うのが一般的。

また「確定申告書類を提出するだけ」であれば、家族や知人など税理士の資格がない人に頼むこともできます。

ところが、確定申告の内容によっては、税理士に依頼したほうがスムーズに手続きできる場合もあるのです。

そこで、税理士に依頼した方が良いケースを見てみましょう。

税理士に依頼したほうが良い事例

自分で購入したマンションを売却する場合、税金の計算に必要な書類が揃えやすいので、基本的には、自分で確定申告の書類を作成することができます。

そして、確定申告の書類作成でわからない点があれば「税務署」に問い合わせると教えてくれます。また、申告時期になると役所などでも「確定申告無料相談会」が催されるので利用すると便利。

ただし、税務署や役所の相談会では、税金の計算方法や書類作成など、基本的なことは教えてくれますが、申告内容についての個別相談には一切のってくれません。

とくに、相続した家を売却して税金の控除を受けるときや、自宅マンションに居住用と非居住用の部分がある場合(店舗兼住宅)は申告書類や税金の計算がとても複雑。

しかし、個人的な事情を含むため、税務署では具体的な内容を相談することができないのです。

そこで、頼りになるのが税理士。
税理士を利用すると、個人的な税務相談ができるだけでなく、申告書類の作成も依頼できるので、費用はかかりますが確定申告を楽に済ませることができます。

また、税理士には節税の相談もできるので、場合によっては、税理士に報酬を支払っても節税効果で得になる場合もあるのです。

では、税理士に確定申告を依頼すると、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?

確定申告を依頼した場合の税理士報酬の相場

これまで、税理士の利用料金(報酬)は、税理士会の「報酬規定」で適正価格が定められていました。

しかし、税理士法の改正があり、税理士会の「報酬規定」が廃止。

そのため、平成14年4月から税理士の料金(報酬)は自由化され、現在では税理士によって報酬金額が全く違うのです。

ところが、税理士の料金が自由化されたことで価格競争も発生。
なので、税理士の利用料金にはある程度の相場があります。

税理士に確定申告の書類作成から税務署への提出までの全てを依頼した場合、申告に必要な書類が全て揃っていれば「3万円~5万円前後」が相場価格。

ただし、自営業などの事業所得者の場合は、青色申告や白色申告など、帳簿の違いで料金が代わり「5万円~10万円超」と、割高になります。

また、申告に必要な書類が揃っていない場合や、相続や一部事業用に使用していた場合などは、書類作成や税金の計算に手間がかかるため、追加料金が発生。

さらに、税理士に証明書類等の作成や入手を依頼した場合も別途手数料がかかります。

ですから、税理士を利用するときは、できるだけ料金が安くて利用者の評判が良い税理士を探さなければなりません。

税理士探しはインターネットが便利です。

あらかじめ税理士が決まっていないのであれば、税理士探しはインターネットが便利。

自社サイトを持つ税理士であれば、料金やサービス内容などが掲載されているので、他の税理士との比較がしやすくなります。

そして、個別検索でよい税理士が見つからなければ「税理士検索サイト」や「一括見積もりサイト」を利用すると、税理士探しが楽になります。

税理士紹介サイト
税理士ドットコム
日本税理士連合会 税理士情報検索サイト

ここまで「税理士」について詳しく見てきました。

税理士を利用すると確定申告の手続きが楽になるだけでなく節税の相談もできます。
そのため、自宅を売却する売主にとって、税理士は利用度の高い専門家。

ところが、自宅の売却で契約トラブルが起こった場合は、税理士ではなく、法律の専門家である「弁護士」への相談が必要です。

そこで、ここからは法律や権利関係が相談できる「弁護士」について見ていきましょう。

弁護士はどのような時に利用するの?

「弁護士」といえば、テレビや映画、小説などの法廷シーンの印象が強い職業。
しかし、刑事事件の被疑者や被告人を弁護するだけが弁護士の仕事ではありません。

日常生活で起こるさまざまな民事トラブルを解決するために、和解や示談の交渉、交渉が決裂した時の訴訟時の手続きや弁護、法律相談なども弁護士は行います。

そのため、自宅の売却でトラブルが起きた場合、売主は弁護士に法律や権利関係などについて相談できるので、早期の解決を目指すことができるのです。

また、当人同士での話し合いで問題が解決しなければ、弁護士に介入してもらい交渉や和解を目指すこともできます。

また、当人同士での話し合いで問題が解決しなければ、弁護士に介入してもらい交渉や和解を目指すこともできます。

では、自宅を売却する場合、どのようなトラブルが起こりやすいのでしょうか?

自宅の売却で起こりやすい3種類のトラブル

自宅の売却で起こるトラブルは、主に3種類あります。

契約当事者間で起こるトラブル

自宅の売却時には、売主は買主や不動産会社、共有名義者など、様々な人との間でトラブルになる可能性があります。

最もトラブルが多いのは売主と買主。不動産売買契約で定めた決済日に買主が購入代金を支払わないなど、たとえ売買契約の最終段階であっても安心はできません。

また、不動産会社と専任媒介契約を結んでいるのに積極的な営業活動を行わないなど、売主と不動産会社との間でも契約トラブルが起こる可能性もあります。

さらに、離婚するので夫婦共有名義の自宅を売却したいのに、別居中の妻が売却に応じないなど、売主と共有名義者との間でも問題は発生するのです。

契約内容に関するトラブル

そして、不動産を売却するには、不動産会社と売主が「媒介契約」を結んだり、買主と「不動産売買契約」を結ぶなど、書面による契約が必要。

ところが、契約内容をよく確認しないまま契約したり、書面での契約ではなく「口約束」で契約を結ぶとトラブルの発生確率が上昇するのです。

とくに、手付金や違約金、特約などの契約内容に関するトラブルが起こりやいので注意しましょう。

物件に関するトラブル

また、自宅マンションを売却すると、売主には一定期間、物件の故障や不具合に対する修理責任があります。

そのため、売主が自宅を引き渡した後、買主から納得のいかない補修責任を求められて費用負担で揉めるなど、物件に関するトラブルも多く発生します。

しかし、売主に法律知識がなければ、自分の権利や正当性を主張することができません。

ですから、契約や権利関係などで問題が発生した場合は、トラブルが深刻化する前に、法の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

では、弁護士に法律相談するとどれくらい費用がかかるのでしょうか?

弁護士費用の主な項目と報酬の相場

弁護士の利用料金(報酬)は、法律相談から和解交渉、裁判時の弁護まで、依頼内容に応じて様々な費用が発生。

ですから、弁護士の利用を予定している人は、あらかじめ料金についての知識が必要です。

ただし、弁護士報酬は、平成16年4月より弁護士会の「報酬基準」がなくなり、現在では弁護士料金(報酬)が自由化されているので要注意。

とくに弁護士費用は費用項目が多いので、料金の相場がわかりにくくなっています。
そのため、これからご紹介する相場価格はあくまでも参考程度の金額です。

では、弁護士を利用するときにかかる主な費用項目と報酬の相場を見てみましょう。

法律相談料

「法律相談料」は、弁護士に法律相談をしたときにかかる費用です。

通常、法律相談は「時間制」(タイムチャージ)で課金。
そのため、弁護士に法律相談するときは、時間を有効に利用するため、相談内容の要点をあらかじめ書面にまとめておきましょう。

なお、弁護士に法律相談をしたときの料金目安は「1時間につき5000円~1万円」。
しかし、相談内容に応じて無料にしているところもあります。

そして、相談だけでは解決できなかった場合、問題解決のために正式に弁護士に介入してもらうと、次にご紹介する「着手金」などの別途料金がかかります。

着手金

「着手金」とは、弁護士に正式な依頼をした時にかかる費用。

ただし、着手金には注意すべきことがあります。万が一、依頼内容を達成できなかった場合でも着手金は返還されません。
つまり、着手金は弁護士に問題介入してもらう事への「礼金」のような費用。

そして、着手金は依頼内容や弁護士によっても金額が違い、通常「10万~30万円」程度の費用がかかります。

なお、弁護士の介入により問題が解決した場合は、別途、成功報酬を支払う必要もあるので要注意。

報酬金

「報酬金」は、依頼内容を達成したときに支払う「成功報酬」。
そのため、依頼内容を達成できなかった時は支払う必要はありません。

また、報酬金の相場は依頼内容によっても全く違います。
とくに、慰謝料や和解金など、裁判を経て金銭で解決した場合は、その解決金額に応じて報酬金額は高くなるのです。

そこで、報酬金の参考価格として、日本弁護士連合会の「旧報酬規定」をご紹介しておきます。

民事事件の訴訟により慰謝料請求や和解金、貸金の回収などで経済的利益を得た場合の報酬金は以下のとおりです。

経済的利益の金額着手金報酬金
300万円以下の部分8%16%
300万円を超え3,000万円以下の部分5%+9万円10%+18万円
3,000万円を超え3億円以下の部分3%+69万円6%+138万円
3億円を超える部分2%+369万円4%+738万円

なお、弁護士に書類の作成を依頼したり、裁判に出廷してもらうと「手数料」や「日当」、「実費」などの費用が別途かかります。

手数料

主に、契約書や遺言書の作成、登記手続きなど、事務的な用件で弁護士に仕事を依頼した場合は「手数料」という項目で料金が発生。

とくに遺言執行の手数料は高く、財産の金額に応じて料金が高くなり、場合によっては100万円を超えることもあります。

日当

「日当」は、弁護士が裁判の口頭弁論などに出廷した時に発生する料金。

金額は弁護士にもよりますが、時間制(タイムチャージ)の場合、移動時間も含めた半日出張で「3万円~5万円」程度かかります。

実費

また、交通費や通信費、出張に伴う宿泊費、収入印紙代など、弁護士活動にかかった実費も依頼主の負担です。

このように、弁護士を利用する時には様々な費用がかかります。
しかし、弁護士は「法律の相談」だけの利用も可能。

法律相談だけであれば、比較的に手軽な料金で利用することができるので、自宅の売却でトラブルが起こったら、1人で悩まず、弁護士に相談してみましょう。

では、弁護士(法律事務所)はどのような方法で探せばよいのでしょうか?

弁護士(法律事務所)を探す3つの方法

弁護士を利用する場合、個人情報や売買契約の契約内容など、他人には知られたくない情報を伝えなければなりません。

また、弁護士報酬も自由化されているので、弁護士によって料金にもかなりの価格差があります。

そのため、弁護士(法律事務所)は、弁護士の評判が良く「安心して相談できる」のはもちろんですが、できるだけ「料金が安い」ところを探しましょう。

そこで、弁護士(法律事務所)の探す3つの方法をご紹介します。

一般的には、弁護士(法律事務所)の探し方には主に3つの方法があります。

知人に紹介してもらう

弁護士探しで一番安心できるのが「知人の紹介」。
なぜなら、料金やサービス内容だけでなく、弁護士の人柄や仕事ぶりなどについても、知人を通じて事前に確認することができるからです。

そのため、仕事を熱心に行わず不当に高額報酬を請求するような悪徳弁護士に遭遇することを回避できます。

弁護士会で紹介してもらう

また弁護士は、都道府県単位の「弁護士会」(単位弁護士会)と日本弁護士連合会(日弁連)の2つの団体に必ず加入しています。

そのため「弁護士会」や「日弁連」などから弁護士を紹介してもらうという方法もあります。インターネットの公式サイトで、法律相談や弁護士の紹介なども行っているので利用してみてください。

参考URL:日本弁護士連合会 

なお、日本弁護士連合会のサイトから、全国の弁護士会の法律相談センターも検索できます。
http://www.nichibenren.or.jp/contact/consultation/legal_consultation.html

インターネットを利用して自分で探す

平成12年10月1日より、弁護士が広告を出してPRすることが可能になりました。
そのため、自社サイトを持つ弁護士や法律事務所が増えています。

インターネットの自社サイトには、弁護士のプロフィールや法律相談の費用などの詳細が確認できるので、地元の弁護士が探しやすいです。

しかし、地元で弁護士(法律事務所)がみつからない場合やできるだけ安い弁護士を探している人には「弁護士一括見積もりサイト」の利用が便利。

一括見積もりサイトとは、希望条件に合う弁護士を紹介してもらえるサイト。
複数の弁護士の見積もりが貰えるので、料金やサービス内容が比較しやすく、最安値の弁護士を探すことができます。

なお、自分で探す場合にも弁護士から見積もりを貰うこともできますが、個人依頼の場合は「見積もり作成費用」がかかる場合もあるので要注意。

その点、一括査定サイトは、見積もり料金や紹介手数料など一切かからず、無料で気軽に利用できます。

現在、弁護士を探しているという人は、ぜひ利用してみてください。

弁護士一括見積もりサイト
比較biz
弁護士ドットコム

このように、現在ではインターネットで弁護士(法律事務所)を探すことができます。

もしも、弁護士を利用したくても経済的な理由で利用できないという人は、国の支援機関である「法テラス」に相談することをおすすめします。

経済的理由で弁護士が利用できない場合は「法テラス」へ相談を。

法テラス(正式名称:日本司法支援センター)は、平成18年4月10日に設立された国の法的支援機関。

法テラス(正式名称:日本司法支援センター)は、平成18年4月10日に設立された国の法的支援機関。

個別の弁護士や法律事務所の紹介はしていませんが、トラブルの解決に役立つ法律の制度や手続き方法、関係機関の相談窓口などを教えてもらうことができます。

また法テラスでは、収入が低くて弁護士費用が払えない人を対象に、無料の法律相談や裁判時の弁護士費用の立替え制度などもあります。

そのため、経済的な理由で弁護士が利用できない人や、自力でトラブルを解決したいが法律知識がないという人は、法テラスに問い合わせてみてください。

参考URL:法テラス公式サイト