相続したマンションは3年10ヶ月以内の売却がお得!相続税取得費加算の特例

相続したマンションは3年10ヶ月以内の売却がお得!相続税取得費加算の特例

親が亡くなり、相続したマンションを売却すると、気になるのは売却代金にかかる税金のこと。

通常、不動産を売却して利益が出ると「所得税(譲渡所得税)」がかかります。

しかし、相続税を納税した場合、相続したマンションを3年以内に売却すると「相続税の取得費加算の特例」という減税制度があり、通常よりも譲渡所得税が少なくなります。

そのため「相続したマンションは3年以内の売却すべき」と、定説のように言われているのです。

しかし、はじめて利用する人には「特例の内容」も「手続き方法」もわかりません。

そこで、このページでは「相続税の取得費加算の特例」について詳しくご紹介します。

はじめに「相続税の取得費加算の特例」の目的から見てみましょう。

「相続税の取得費加算の特例」の目的とは?

「相続税の取得費加算の特例」は、相続税を支払うために相続した不動産を売却する人への救済制度です。

まずは、相続税について簡単に確認しておきましょう。

相続税には、税金がかからない「基礎控除(非課税枠)」があり、相続人1人あたり「3,600万円」の基礎控除(非課税枠)があります。

なお、相続税の基礎控除は「3,000万円+(600万円×相続人の人数)」の計算式を使用。

たとえば、親の遺産を2人で相続した場合「4,200万円」まで相続税はかかりません。

相続税の基礎控除は「3,000万円+(600万円×相続人の人数)」の計算式を使用。

ところが、相続した財産が非課税枠を超えてしまうと「最高税率55%」もの高額な相続税がかかります。

◇相続税の税率表◇

各相続人の法定相続分の金額税率控除額
1,000万円以下10%-
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

そのため、相続した不動産が高騰している場合や、多額な財産を相続すると、現金では相続税が支払えず「相続税を支払うために相続した不動産を売却する」こともあるのです。

しかし、相続税のために不動産を売却すると、売却代金で「相続税」だけでなく、不動産の売却利益にかかる「譲渡所得税」も支払う必要があるので、税金の負担がさらに増大。

そこで、納税した相続税の一部を「不動産取得時の必要経費」として認めることで、譲渡所得税の負担を軽くする「相続税の取得費加算の特例」があるのです。

マンションを相続した場合「空き家の3,000万円控除」は利用できません。

なお、2016年(平成28年)に住宅税制の見直しがあり、相続により「空き家」になった物件を売却した場合、一定の条件を満たせば「3,000万円の特別控除」があります。

ところが、この特例はマンションなどの区分所有建物は適用外。

しかし、マンションを相続した場合でも「3,000万円控除」が受けられるケースもあります。

「故人と相続人が同居していた」もしくは「相続後にしばらく自分で住んでいた」場合であれば、売却利益から3,000万円を控除できる「マイホーム特例」が利用できます。

でも「空き家マンション」を相続して「自分で住まず」に売却する場合、空き家の特別控除やマイホーム特例などの「3,000万円控除」を利用することができません。

ですから、相続したマンションをすぐに売却処分するような場合は「相続税の取得費加算の特例」が有効な節税対策になります。

ただし、不動産を相続した全ての人が、この特例を利用できる訳ではありません。

そこで「相続税の取得費加算の特例」の適用条件を見てみましょう。

「相続税の取得費加算の特例」の3つの条件

「相続税の取得加算費の特例」を利用するには「3つの条件」を全て満たす必要があります。

1、相続によって財産(マンション)を取得した者であること。
2、その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
3、その財産を相続開始のあった日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過するまでに売却していること。

このように、特例の適用条件には「3年以内の売却」という売却期限があります。

ただし、正確には相続税を納める期限(相続税の申告期限)が10か月間あるので「相続してから3年10カ月以内の売却」に特例が適用。

ですから、相続した空き家マンションの売却を検討している人は、特例が利用できる「3年10カ月」を意識して売却計画を立ておくと、通常よりもお得に売却できます。

それでは、特例の目的や適用条件などの概要もわかったところで、続いて「控除額の計算方法」などの実務的な内容を見てみましょう。

「相続税の取得費加算の特例」の計算方法

「相続税の取得費加算の特例」の計算方法を理解しやすくするために、税金の基礎知識として「不動産を売った時の利益(譲渡所得)」の計算方法から確認しておきます。

不動産売却時の「利益(譲渡所得)」の計算方法

相続したマンションを売却した場合、買主から受け取る「売却代金」は、全てが利益ではありません。

故人がマンションを購入する時には、購入代金や登記費用などの「取得費」がかかっています。

また、マンションを売却(譲渡)する時にも、不動産仲介手数料や登記費用などの「売却費用(譲渡費用)」が必要。

ですから、売却代金から「取得費」と「譲渡費用」などの必要経費を差し引いて余ったお金を、税法上では「利益(譲渡所得)」とみなします。

そして、不動産を売却した時にかかる所得税(譲渡所得税)は、売却代金のうち「利益(譲渡所得)」だけが課税対象となるのです。

不動産を売った利益(譲渡所得)=売却代金-(取得費+譲渡費用)

不動産を売った利益(譲渡所得)=売却代金-(取得費+譲渡費用)

ここまでが、一般的な「不動産の売却利益(譲渡所得)」の計算方法になります。

しかし「相続税の取得費加算の特例」を利用すると、通常よりも多くの必要経費を加算することができるのです。

特例を利用した場合の「利益(譲渡所得)」の計算方法

相続した不動産を売却した場合、利益(譲渡所得)の計算をする時には、故人が支払った「取得費(購入時の費用)」を必要経費に含めることができます。

また、不動産の相続人(売主)が「相続税」を支払っている場合であれば、取得費に「相続税の一部」を加算できます。

不動産を売った利益(譲渡所得)=売却代金-(取得費+相続税の取得費加算額+譲渡費用)

不動産を売った利益(譲渡所得)=売却代金-(取得費+相続税の取得費加算額+譲渡費用)

このように、相続した不動産を売却すると、通常よりも多くの「必要経費」が加算できるので、その分、売却時の利益(譲渡所得)の金額は少なくなります。

すると、売却利益にかかる譲渡所得税の金額も少なくなるので、それだけ節税になるのです。

なお、相続した不動産の売買契約書や領収書が保管されておらず、取得費がわからない場合は「概算取得費」として「売却代金(譲渡収入金額)の5%」で計算します。

では、取得費に加算できる「相続税(取得費加算額)」はどのように計算するのでしょうか?

そこで「相続税の取得費加算額」の計算方法を見てみましょう。

取得費に加算できる相続税額の計算方法

取得費に含めることができる相続税額は、2015年(平成27年)1月 1日を境にして計算方法が異なります。

つまり、相続した時期によって、取得費に加算できる相続税の金額が違うのです。

相続の時期で取得費加算額が違う理由

2014年(平成26年)12月31日以前は、相続した土地に対する税制優遇があり、取得費の加算額を計算する時には、相続した「全ての土地」を計算に含めることができました。

ところが、税制の見直しが行われ、2015年(平成27年)1月1日以降の相続からは「売却した土地」しか、取得費に加えることができなくなったのです。

そのため、相続した時期によって、取得費に加算できる相続税の計算式が違います。

それでは「相続税額の取得費加算額」の計算式を実際に見てみましょう。

相続税の取得費加算額の計算式

相続したマンションを売却した時の「取得費に加算できる相続税額」は、下記の計算式で求めることができます。

ただし、相続した時期によって土地に対する税制優遇があるため、マンションの場合「建物」と「土地」を別々に計算しなければなりません。

そこで、「建物部分」と「土地部分」の計算式をそれぞれご紹介します。

売却したマンションの「建物部分」の取得費加算の計算式

マンションの「建物部分」に対する取得費加算の計算は、相続の時期に関係なく、下記の計算式で算出することができます。
売却したマンションの「建物部分」の取得費加算の計算式

売却したマンションの「土地部分」の取得費加算の計算式

マンションの土地部分に対する取得費加算の計算は、相続する時期によって計算方法が違います。

・2015年(平成27年)1月1日以降に相続した場合

取得費加算額=相続税額×売却したマンションの「土地部分」の相続税評価額
相続した財産の合計金額(債務控除する前の金額)

売却したマンションの「土地部分」の取得費加算の計算式

・2014年(平成26年)12月31日以前に相続した場合

取得費加算額=相続税額×「相続した全ての土地」の相続税評価額の合計
相続した財産の合計金額(債務控除する前の金額)

取得費加算額=相続税額×「相続した全ての土地」の相続税評価額の合計 相続した財産の合計金額(債務控除する前の金額)

なお「相続した全ての土地」のなかには、売却していな土地も含みます。
ただし、既に取得費加算の特例を受けた土地は除外しなければなりません。

なお「相続した全ての土地」のなかには、売却していな土地も含みます。 ただし、既に取得費加算の特例を受けた土地は除外しなければなりません

このように「相続税の取得費加算の特例」は、税金の計算がとても複雑。

しかし、通常よりも譲渡所得税が安くなり、支払った相続税の補てんにもなるので、適用条件を満たしている場合は積極的に特例を利用しましょう。

では、この特例を利用するには、どのような手続きが必要なのでしょうか?

「相続税の取得費加算の特例」を利用するには確定申告が必要です。

相続したマンションを売却して利益が出た場合、売却した翌年の3月15日までに、所轄の税務署に確定申告する必要があります。

そして「相続税の取得費加算の特例」の利用するときは、確定申告の書類に「相続税の取得費加算の特例」を受けることを記載しなければなりません。

具体的には、確定申告書の「特例適用条文等」の欄に「措置法第39条」と記入します。

特例適用条文等引用元:「特例適用条文」

上記の書類はあくまでも「特例適用条文等」の掲載場所を知るための見本です。
確定申告の種類によっては、上記以外の書類を使用する場合もあり、記入欄が別の位置に掲載されていることもあります。

また、特例を受けるためには、確定申告書類に3種類の添付書類が必要です。

特例を受けるために必要な3つの添付書類

1、相続税申告書の写し

「相続税の取得費加算の特例」の申告には、相続税を申告した時の「申告書の写し(コピー)」が必要。

ただし、確定申告書類に添付する必要があるのは「第1表」、「第11表」、「第11の2表」、「第14表」、「第15表」のコピーです。

2、相続税の取得費加算に関する計算明細書

国税庁のHPから取得費加算の計算明細書が入手できますが、相続の開始時期によって用紙が違うので注意が必要です。

なお、計算明細書に必要項目を記入すると、取得費に加算できる相続税の金額が計算できます。

参考URL:国税庁「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」

・平成25年12月31日以前相続開始用
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/pdf/a035.pdf
・平成26年相続開始用
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/pdf/a036.pdf
・平成27年1月1日以後相続開始用
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/pdf/a037.pdf

3、譲渡所得の内訳書(確定申告書付計算明細書 土地・建物用)

国税庁のHPから内訳書を入手する時は、必ず「土地・建物用」の用紙を入手してください。

参考URL:国税庁「譲渡所得の内訳書(土地・建物用)」

・譲渡所得の内訳書(1面~4面)
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/pdf/a029.pdf
・譲渡所得の内訳書(5面)
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/pdf/a029-1.pdf

このように、相続税の取得費加算の特例を受けるためには、添付書類も準備しなければなりません。

そのため、確定申告手続きや書類の記入方法についてわからないことがあれば、管轄の税務署や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

しかし、相続マンションを売却する時に、税金や相続の相談ができる不動産会社を選んでおくことも、確定申告をスムーズに済ませる秘訣の1つです。

税金や相続の相談ができる不動産会社を選んでおくと安心です。

相続した不動産を売却すると、相続登記(名義変更)や確定申告、税金の控除特例の申請など、複雑な書類の記入や手続きがあり、はじめての人には大変な作業です。

しかし、大手不動産会社のなかには、専門家による「確定申告無料相談会」や「相続税対策セミナー」など、売却後の顧客サポートがある親切な会社もあります。

また、会社の規模に関わらず、営業社員のなかには「ファイナンシャルプランナー」など、税金や相続について高い専門知識を持つ人もいます。

そのため、相続した不動産を売却する時には、相続や税金に詳しい不動産会社(担当者)を選んでおくと、何でも相談できるので安心です。

不動産会社探しはインターネットの利用が便利です

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