相続したマンションの売却に必要な「相続登記」とは?準備すべき書類と費用

相続したマンションの売却に必要な「相続登記」とは?準備すべき書類と費用

親が亡くなりマンションを遺産として貰っても、誰も住む人がいない場合、売却処分を検討することもあります。

しかし、不動産の売却は「本人(名義人)」しかできないのが原則。
ですから、親(故人)名義のままでは相続したマンションを売却することはできません。

そのため、相続したマンションを売却するためには、物件の名義人(所有権者)を故人から相続人に変更する「相続登記」の手続きが必要になります。

ところが、はじめて相続登記をする人は、どのように手続きしてよいのかがわかりません。

そこで、このページでは相続登記の手続き方法についてご紹介します。

はじめに、相続登記はどこで誰がどのように手続きするものなのかを見てみましょう。

相続登記はどこで誰が手続きするの?

相続した不動産の名義人を変更する「相続登記」は、法務局に必要書類を提出して名義変更を申請します。

なお、相続登記の申請は、自分で行う事もできますが、登記の専門家である「司法書士」に依頼して手続きするのが一般的。

なぜなら、相続登記は通常の名義変更登記よりも申請書類の作成に専門知識が必要だからです。

また、相続登記の申請には必要な書類も数多く、取得に手間がかかる証明書類もあります。

そのため、司法書士に依頼すると、書類の作成や証明書類の取得、法務局への申請も代行してくれるので、相続登記の手続きをスムーズに確実に行うことができるのです。

とくに、相続人のなかに死亡者がいたり、認知症などで判断能力がない人がいる場合は、手続きが非常に複雑になるので、専門家に依頼することをおすすめします。

とくに、相続人のなかに死亡者がいたり、認知症などで判断能力がない人がいる場合は、手続きが非常に複雑になるので、専門家に依頼することをおすすめします。
しかし、相続登記を自分で申請したいという人もいます。

そこで、相続登記の申請に必要となる書類にはどのようなものがあるのか見てみましょう。

相続登記に必要な書類(遺言がない場合)

遺言書がなく、相続人の話し合い(遺産分割協議)でマンションの相続者を決めた場合の相続登記には、通常「11種類」の書類の準備が必要です。

相続物件に関する書類

故人に関する書類

相続人に関する書類

司法書士が手続きする場合の書類

それでは、相続登記の必要書類を自分で準備する人のために、11種類の書類の利用目的や取得場所、注意ポイントなどを詳しくご紹介します。

相続物件に関する書類

1、相続登記申請書

「相続登記申請書」は、相続登記の申請をするときに法務局に提出する書類です。
自分で書類を作成することもできますが、司法書士に依頼することもできます。

なお、法務局のホームページでは、申請書の様式と記載例が掲載されていますので下記URLを参考にしてください。

参考元:法務局-「不動産登記の申請書様式について(6)」

2、相続対象不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)

「登記事項証明書」は、相続登記の手続きの基礎資料となる書類です。

ただし、登記事項証明書には種類があるので、全ての登記情報が記載されている「全部事項証明書」を取得する必要があります。

そして、登記事項証明書には、正確な地番や家屋番号、権利関係などが記載されているので、登記申請書などを自分で作成する場合は、この書類を参考にしましょう。

また「登記簿事項証明書」は法務局で入手することができますが、自宅のパソコンからも請求手続きができるので便利。

なお、法務局の「オンライン請求」の詳細については、下記URLを参考にしてください。

参考元:法務局-「オンライン請求関連ページ」

3、相続対象不動産の固定資産評価証明書

「固定資産評価証明書」は、相続登記にかかる登録免許税(法務局に支払う登記申請料)の計算に必要となる書類です。

東京都の場合は都税事務所、その他の地域は市区町村役場、出張所などで入手することができます。

なお、固定資産税評価の評価額は、毎年5月頃に送付される固定資産税の納税通知書で確認が可能。

しかし、相続手続きの場合は、必ず役所で入手した「固定資産評価証明書」を添付するようにしましょう。

故人に関する書類

4、故人の出生から死亡時までの戸籍謄本

「故人の戸籍謄本」は、故人に配偶者がいるかどうか、子供(養子縁組も含む)がいるかどうかなど、故人と相続人との関係を証明するために必要な書類です。

戸籍謄本は、故人の本籍地の市区町村役場で入手できますが、本籍地を変更しているなどの場合、他の役所に取得依頼が必要になることもあります。

そのため、遺産分割の話し合いで相続人を特定するために、すでに書類を入手している場合は良いのですが、取得にかなり時間がかかることもあるので注意してください。

5、故人の住民票の除票(本籍地の記載があるもの)

「故人の住民票の除票」は、登記簿上の名義人(故人)の住所と登記簿の住所とのつながりを証明する書類です。

なお、住民票の除票は、故人が最後に住んでいた住所の市区町村役場で入手できます。

ただし、故人が亡くなった時の住民票の除票と登記簿上の住所が違う場合、住所を移転した経緯がわかる「戸籍の附表」や「住民票」などの書類も必要です。

相続人に関する書類

6、遺産分割協議書

「遺産分割協議書」とは、相続人全員が話し合いにより、誰がどの遺産を相続するかの内容を記載した書類です。

ただし、遺産分割が民法の法定相続分の通りの分配である場合や、相続人が1人のときは、相続登記に遺産分割協議書の添付の必要はありません。

なお、遺産分割協議書の書式に決まりはありませんが、相続人全員の署名や実印がない場など、一定の要件を満たしていない場合は「証拠能力」が認められないので要注意。

そのため、相続登記や相続税の申請のために書類を作成する場合、複雑な財産分与であれば、司法書士や行政書士などの専門家に協議書を作成してもらうことをおすすめします。

遺産分割協議の書式例引用元:三菱UFJ信託銀行-遺産分割協議の書式例

7、相続人全員の戸籍謄本(死亡日以降に取得したもの)

「相続人全員の戸籍謄本」は、遺産分割協議書に記載されている相続人が全員、実在の人物であることを証明する書類です。

また、夫婦が離婚していないことや、養子縁組を取り消していないことを証明する書類にもなります。

なお、戸籍謄本は、各相続人の住所地の市区町村役場で入手できますが「故人が死亡した日以降」に取得した最新の戸籍謄本が必要です。

8、相続人全員の印鑑証明書

「相続人全員の印鑑証明書」は、遺産分割協議書に押印されている相続人全員の実印を照合するために必要な書類です。

しかし、相続登記に「遺産分割協議書」の添付が不要な場合であれば、相続人全員の印鑑証明書も必要ありません。

9、相関関係説明図

「相関関係説明図」とは、故人と相続人の関係性が戸籍謄本などではわかりにくい場合もあるため、相続人の関係性がわかる家系図のような書類を作成して申請書に添付します。

ただし「相関関係説明図」は、必ず添付しなければならない書類ではありません。

しかし、相続登記の際に添付しておくと、登記完了後に、戸籍や除籍謄本など提出書類の一部を返却してもらうことができます。

また、書式には決まりがないので、相続者と故人の住所、氏名、生年月日、死亡年月日など、一定の必要事項さえ記載されていれば、手書きでも大丈夫です。

なお、法務局のホームページには、下記のような「相関関係説明図の見本」があるので参考にしてください。

相続関係説明図例引用元:法務局-相続関係説明図例

10、新名義人となる相続人の住民票

「相続人の住民票」は、故人から相続人に名義変更する時に、新名義人となる相続者の住所を確認するための書類です。

そのため、市区町村役場で住民票を取得する時は「本籍」や「故人との続柄」が記載されているものを取得しましょう。

司法書士が手続きする場合の書類

11、新名義人となる相続人の委任状

司法書士に全ての手続きを依頼する場合、依頼主(新名義人になる相続人)の委任状が必要です。

もちろん、司法書士を利用せずに自分で登記申請する場合、委任状は不要。

なお、委任状の用紙は通常、依頼する司法書士が準備していますが、用紙や書式には決まりがないので、自分で作ることもできます。

ただし、委任者と司法書士の住所と氏名、委任年月日、委任内容、押印など、委任状には一定の必要項目があるので要注意。

自分で委任状を作成する人は、法務省のホームページに掲載されている、下記の「委任状の見本」を参考にしてください。

法務省「委任状(記載例)」引用元:法務省-「委任状(記載例)」

このように、通常の相続登記をするだけでも、11種類もの書類が必要になります。

そのため、複雑な相続登記になると、これ以外にも様々な書類を準備しなければなりません。

ですから、司法書士に依頼すると、多少の費用はかかりますが、申請に必要な書類のほとんどを準備してもらえるので、手間がかからず書類の不備も起こりにくいです。

では、相続登記を司法書士に依頼するとどれくらいの費用がかかるのでしょうか?

相続登記にかかる費用

司法書士に相続登記を依頼すると、主に「登録免許税」、「実費」、「司法書士報酬」の3つの費用がかかり、まとめて「登記費用」と呼ぶのが一般的です。

それでは、司法書士に相続登記を依頼した場合の3つの費用を詳しく見てみましょう。

1、登録免許税

登録免許税とは、故人から相続人への「所有権移転登記(相続登記)」の申請にかかる税金(法務局に支払う登記申請料)です。

相続登記にかかる登録免許税は、相続した不動産の「固定資産評価額の0.4%」と定められており、登記申請書類に登録免許税額分の「収入印紙」を貼って納税します。

たとえば、相続したマンションの固定資産税評価額(土地と建物の評価額合計)が2,000万円であれば、2,000万円×0.4%=8万円(登録免許税)となります。

2、実費

先にご紹介したとおり、相続登記には様々な書類の準備が必要です。

そのため、司法書士に依頼すると、相続人に代わって書類を取得して貰えますが、取得にかかった費用は依頼主が支払わなければなりません。

そこで、相続登記の必要書類にかかる主な実費をご紹介します。

相続登記に必要な主な書類の費用

登記事項証明書(登記簿謄本)1通700円
戸籍謄本1通450円
戸籍の附票1通300円
除籍や原戸籍1通750円
住民票1通300円
印鑑証明書1通300円
固定資産税評価証明書1通400円(東京都の場合)

*区役所・市役所等によって金額が異なる場合もあります。

その他、各書類の取得や作成にかかった交通費や郵送費も実費として加算。

ただし「遺産分割協議書」の作成を司法書士に依頼した場合は、別途、作成手数料がかかりますが、司法書士によって価格が違います。

一般的に、遺産分割協議書の作成手数料は「5万円程度」が相場価格と言われていますが、かなり割安なところもあるようです。

また、複雑な相続登記や相続する物件が複数の場合は、この他にも必要書類を揃える必要があるので取得費がかかります。

3、司法書士報酬

なお、司法書士報酬は、平成15年4月1日以降、司法書士法の改正により報酬額が自由化されています。

そのため、司法書士によって報酬金額が全く違うので要注意。

ただし、報酬の自由化により、現在では司法書士報酬の「価格競争」も起こっています。

近年、司法書士は必要書類の取得や登記申請に、インターネットを利用した「オンライン申請」や「郵送」を利用。

司法書士も登記手続きが以前に比べて楽になっているので、報酬化の自由化により、司法書士報酬を安くしているところも増えているのです。

相続登記にかかる費用は数万円~数十万円

そして、相続のケースにもよりますが、一般的な相続登記(遺産分割協議書の作成なし)にかかる費用の合計は10万円前後(6~15万程度)が相場価格と言われています。

しかし、登記する不動産の固定資産税評価額が3,000万円であれば、登録免許税(申請書に貼る印紙代)だけでも「12万円」。

また、司法書士によっては、価格設定の仕方も違います。

「基本プラン」のように、一定のパッケージ料金を設定しているところもあれば、1つの作業ごとに実費と手数料が課金されるところもあるので要注意。

そのため、司法書士の報酬が高く、相続人の人数が多いなどの複雑な手続きがある場合、相続登記にかかる費用が数十万円になる可能性もあります。

そこで、司法書士を利用する時は、仕事が丁寧で費用も安く、評判の良い司法書士事務所を探すようにしましょう。

司法書士探しはインターネットで探すと便利です。

なお、相続登記を依頼する司法書士は地元で探す必要はありません。

相続登記の申請は郵送やインターネットでもできるので、全国どこの司法書士に依頼しても、相続登記の手続きは可能。

そのため、司法書士を探す時は、インターネットの利用をおすすめします。

現在では、インターネットに自社サイトを持つ司法書士(司法書士事務所)も多くなり、登記にかかる費用の明細やサービス内容の範囲も詳しく表示。

ですから、インターネットを活用すると、費用や作業内容を比較しやすく、良心的な司法書士を選びやすいです。

ただし、登記費用が安い司法書士の中には、手続き完了後に追加料金を請求してくるところもあるので要注意。

司法書士に相続登記を依頼する時は、まずは見積もりを出してもらい、追加料金の有無についても必ず確認しておくことが大切です。

売却前に必ず相続登記を済ませておきましょう。

そして、相続登記の申請にはたくさんの書類を準備する必要があり、場合によっては複雑な手続きになることもあります。

そのため、相続後に売却処分を検討している場合、相続登記に期限はありませんが、必ず「売り出す前」に手続きは済ませておきましょう。

もしも、相続登記が済んでいない状態で売買契約が成立すると、物件引き渡し日までに相続登記が完了できない場合、物件が引き渡せなくなりトラブルの原因になります。

また、物件が引き渡せなかった場合、契約解除だけでなく損害賠償や違約金が発生することもあるのです。

物件が引き渡せなかった場合、契約解除だけでなく損害賠償や違約金が発生することもあるのです。

相続登記の不安や疑問は不動産会社に相談することもできます。

なお、相続登記についての不安や疑問は、不動産会社に相談することもできます。

通常、故人の財産の中に不動産があれば、物件の不動産価値を調べるために、不動産会社に価格査定を依頼します。

そのため、相続登記のタイミングや手続方法など、相続手続きについて聞きたいことがあれば、査定を依頼した不動産会社に相談しておくと安心。

ただし、全ての不動産会社の社員が相続登記に詳しい訳ではありません。

そこで、価格査定や売却を依頼する際の不動産会社は、なるべく相続物件の売却に詳しい不動産会社(担当者)を選ぶようにしましょう。

不動産会社探しもインターネットが便利です。

そして、司法書士と同じように、不動産会社探しもインターネットを活用すると便利です。

ただし、不動産会社を探すときには「不動産一括査定サイト」があるので、司法書士のように自分で探す必要はありません。

「不動産一括査定サイト」は、物件の基本情報を入力するだけで、売却に適した不動産会社をリストで紹介してくれる便利なサイトです。

また、紹介リストの中に査定を受けたい会社があれば、好きな会社を選ぶだけで査定手続きも完了できるので簡単。

なお、複数の会社に査定を依頼すると「査定価格」だけでなく「社員の知識やスキル」も比較できるので、相続物件や手続きに詳しい担当者が見つかりやすくなります。

ですから、インターネットで不動産会社を探す時は「不動産一括査定サイト」を利用してみてください。誰でも気軽に無料で試すことができるので安心です。

おすすめの一括査定サイト『 HOME4U 』

当サイトおすすめの一括査定サイト『 HOME4U 』

「HOME4U」は不動産一括査定サイトのなかで、最も知名度の高いサイトです。
NTTグループが運営しているので、個人情報管理の信頼度が高く、安心・安全に利用できます。

また、厳選された全国約900社の優良企業の中から、自宅の売却に適した会社を紹介してもらえるので、売却を依頼する不動産会社がみつかりやすいのも人気の理由です。

HOME4Uの一括査定申し込みはこちら

おすすめの一括査定サイト『 マンションナビ 』

当サイトおすすめの一括査定サイト『 マンションナビ 』

「マンションナビ」は分譲マンションの売却専門の不動産一括査定サイトです。

マンションの売却を得意とする不動産会社を紹介してもらえるので、中古マンションを売りたい人におすすめ。

また、売却だけでなく業者買取りや賃貸運用の査定も受けられるので、自宅を売るかどうかで迷っている人も利用しやすいサイトです。

マンションナビの一括査定申し込みはこちら