マンション売却前に名義の確認を!売出しの障害となる共有名義に要注意

マンション売却前に名義の確認を!売出しの障害となる共有名義に要注意

自分で購入した家は自分のもの。ですから、自分の意思で好きなタイミングに売却することができます。それこそ住宅ローンも完済していれば、売却には何の障害もないはず。

ところが、自分以外にも名義人がいる「共有名義」の物件は、自分1人の判断だけで勝手に売却することはできないのです。

場合によっては、都合のよいタイミングで自宅を売りに出せないだけでなく、売却すること自体ができないこともあります。

しかし、はじめて自宅を売りに出す人のなかには、自宅が売り出せないことにまだ気付いていない人がいるかもしれません。

そこで、マンション売却の障害になりやすい「共有名義」についてご紹介します。自宅売却の障害となる原因や対処法についても説明しますので参考にしてください。

はじめに「共有名義」の基礎知識から簡単に説明します。

共有名義とは?共有名義かどうかはどこでわかる?

「共有名義」とは、不動産の所有者が1人ではなく、複数人で共有している状態のこと。
不動産が共有名義であるかどうかは、法務局が発行する登記簿(登記記録)で調べることができます。

登記簿には、不動産所有者の氏名と住所の記載欄があります。そして、所有者の氏名欄に記載されている名前が1人であれば「単独名義」、2人以上ならば「共有名義」と判断できるのです。

また、所有者(名義人)が2人以上いる場合は、名前の前に「共有者」との表記もあるため、共有名義かどうかはすぐにわかります。

では、なぜ1つの不動産に複数の所有者がいるのでしょうか?

たとえば、夫婦で資金を出し合ってマンションを購入すると、マンションは夫婦の共有財産。そのため、自宅の所有者は夫と妻の2人となり「共有名義」になります。

また、相続であれば、遺産の分割方法の話し合いが終わるまでの間、不動産の所有者が一時的に10人以上もの相続人の共有名義になることもあるのです。

このように、不動産が共有名義になっていることはよくあること。

では、なぜ共有名義が自宅売却の障害になる場合があるのでしょうか?

「共有名義」が自宅売却の障害となる3つの要因

共有名義は単独名義とは違い、物件の所有者が複数人います。そのため、物件を売却する時には共有者全員で話し合うなど、単独名義の物件にはない特徴があるのです。

そこで、共有名義が売却の障害になる3つの要因をご紹介します。

共有者全員の同意が必要

共有名義が売却の障害になる最大の理由は、売却時に「共有者全員の同意」が必要なことです。

共有名義の不動産を売却するときは、売買契約書に名義人(共有者)全員の実印と印鑑証明、売買契約書に直筆の署名が必要になります。

そのため、共有者のうち1人でも売却に反対する人がいると、売買契約書の所有者の記名押印が全員分揃わないため、売却手続きができないのです。

共有者の同意や反対の効力は「持分割合」に影響しない

そして、共有者の同意や反対意見の効力は「所有権の持分割合」には関係しません。

「所有権の持分割合」とは「権利の割合(名義割合)」のこと。不動産を共有名義にするときは、共有者全員の名前だけでなく、出資金額の割合や話し合いで決めた「持分割合」も登記簿に記載されています。

そのため、共有者の「持分割合」は全員同じ割合ではないのです。場合によっては、持分割合にかなりの差があることもあります。

しかし、持分割合が過半数を超えていても、単独で売却を強行することはできません。共有名義の不動産を売却するときは、持分割合に関係なく共有者全員の同意が必要なのです。

ですから、共有者の人数が多いほど、売却の同意が得にくくなる可能性が高くなります。

共有名義者が身内の場合は関係悪化で同意が得られにくくなる

とくに居住用の分譲マンションの場合、共有名義者は、夫婦や親子、兄弟などの身内であることが一般的。そのため、通常であれば売却の同意が得られやすい関係です。

ところが、共有者が身内であるがゆえに、些細な夫婦喧嘩や親子喧嘩の延長で、売却の同意を拒否することが起こります。そして、一度関係性が悪化すると、話がこじれやすくなり、さらに売却の同意が得にくくなるのです。

このように、共有名義の物件には売却の障害になる3つの要因があり、単独名義の物件よりも売却がしにくいと言えます。
そのため、共有名義の物件は、売却の準備がとても大切になるのです。

共有名義の物件を売却するときに必要となる準備

共有名義の自宅を売却するときは、事前に共有者全員に売却の意思を確認しておく必要があります。そして、共有者全員に売却の同意が貰えたときは、売買契約に本人が立ち会えるかどうかも確認しておかなければなりません。

なぜなら、売買契約の当日は名義人(売主)の立ち会いが必要となります。そのため、共有名義の場合は、共有者が全員立ち会わなければならないのです。

もしも、共有者のなかで契約日に欠席する人がいるならば、欠席者の「委任状」や「印鑑証明書」などの準備が必要になります。

しかし、親切な不動産会社であれば、委任状の用紙も用意しています。ですから、売主は、共有者に欠席者がいることがわかれば、早めに不動産会社の担当者に伝えておきましょう。

では、共有者が売却に反対した場合はどうすればよいのでしょうか?

自宅の共有者が売却に同意しない場合の対処法

自宅の売却時に共有者の同意が得られない場合、原則的に物件の売却はできません。

ただし、絶対に自宅を売却できない訳ではないのです。また、自宅を売却せずに、自分の所有権を現金化するという方法もあります。

具体的には「自分の所有権を共有者に買い取ってもらう」、「共有者の所有権の持分割合を自分が買い取る」2つの方法。

そこで、自宅の共有者が売却に同意しない場合の2つの対処法について、それぞれ詳しく説明します。

対処法1 売却に同意しない共有者に自分の持分割合を買い取ってもらう方法

共有者に売却の同意が得られない場合、自分の所有権の持分割合を共有者に買い取ってもらうという方法があります。つまり、実際に自宅を売るのではなく、自分の所有権の持分割合を共有者に売却するのです。

たとえば、夫婦や兄弟など、2人で購入資金を半分ずつ出し合って不動産を購入した場合、所有権は共有名義となり、所有権の持分割合はそれぞれ「2分の1」。

もしも、共有者が売却に同意して不動産を売った場合、売却代金は「持分割合」に応じで分配しなければなりません。この例であれば、2人の共有者の持分割合はそれぞれ「2分の1」なので、売却代金は平等に折半します。

ですから、共有者が売却に反対したときは「物件の売却をしない代わりに、自分の持分割合を現金で買い取ってほしい」と、共有者に交渉することができるのです。

この例であれば「物件価格の2分の1」に相当する金額で、共有者に持分割合を売却することになります。

そうすれば、共有者が自宅の売却に同意しなくても、売却した時の分配金に相当する現金を得ることができるのです。

対処法2 売却に同意しない共有名義者の持分割合を買い取る方法。

また、逆に「反対している共有者の持分割合を買い取る」という方法もあります。

先の「対処法1」は、実際に不動産は売却せず、自分の所有権の持分割合を共有者に売却して現金化する方法でした。

しかし、何らかの理由で不動産を売却処分したい場合は、相手の持分割合を自己資金で買い取り、単独名義に変更してから売却するという方法もあります。

共有者の持分割合を買い取り、所有者が自分1人になれば、売却の同意は不要なので、自宅を売りに出すことができるようになるのです。

ただし、共有名義から共有者の名前を外す場合は、必ず相手の持分割合に相当する対価を支払わなければなりません。

もしも、何の対価の支払いもなく自分1人の単独名義に変更すると、共有者から所有権の持分を贈与されたとみなされ、贈与税の対象になるのです。

このように、共有名義の物件を売却するための対処法には「共有者の持分割合を買い取る」方法がありますが、あまり現実的な方法ではありません。

なぜなら、自宅の売却に同意しない人から、所有権の持分割合を買い取ることは、同意を得る以上に難しいからです。そして、売却の同意だけでなく、持分割合を買い取りでも揉めると、共有者との関係性がますます悪化してしまうことになります。

共有名義の物件が売却できずに困っている人はとても多い。

このように共有名義の物件は、共有者の意思が揃わなければ売却の障害になるという問題点があり、1度揉めると解決するまでに時間がかかる場合もあります。

そのため、共有者が自宅の売却に反対することが予測されるときは、できるだけ早くから共有者との話し合いを始めておかなければなりません。

しかし、共有者との話し合いすら拒否されることもあり、自宅が売却できずに困っている人はとても多いのです。

そこで、共有者から売却の同意が得られない具体例をご紹介します。

共有名義者の同意が得られずに売却ができないトラブル事例

共有名義が「夫婦」、「親子」、「兄弟」、「親族」に起こりやすいトラブル事例をそれぞれご紹介しますので参考にしてください。

共有名義が「夫婦」の場合に起こりやすいトラブル

夫婦が不仲になると、どちらか1人が家を出てしまい別居状態になりがちです。すると、相手が音信不通もしくは連絡を拒否するようになり、売却の同意が得にくくなります。

また、夫婦が離婚した場合は、わざと相手を困らせるために売却に同意しないこともあります。

そのため、夫婦が離婚するときは、離婚前に共有名義の自宅の売却を済ませ、売却代金を夫婦で財産分与しておくようにしましょう。

共有名義が「親子」の場合に起こりやすいトラブル

親にマンション購入資金を援助してもらい共有名義にすると、買い替えなどで自宅を売却するときに、親の同意が得られない場合もあります。

なぜなら、マンション購入時に親が資金援助をするのは、子供の住宅ローンの負担を軽減するため。ですから、マンションの売却代金を頭金にして、一戸建てに買い替えるなど、新たに住宅ローンを組む必要がある場合、親は心配して売却に反対するのです。

また、親が高齢で施設に入居している場合も、売却トラブルが起こりやすいので注意しましょう。その原因は、親と子の自宅への愛着度の違いです。

すでに親は施設で暮らしているため、実家で生活している子供は、老朽化した実家を売却して買い替えたいと考えます。

ところが、親からすれば、現在は施設で生活していても愛着のある自宅を手放す気はなく、売却にも同意しないのです。

このように、親子の共有名義で起こる売却トラブルは、子供のことを心配する親心や、自宅への愛着などで起こります。

できるだけ親の気持ちも理解した上で、売却同意がもらえるまで親子で何度も話し合いの場を設けるようにしましょう。

共有名義が「兄弟」の場合に起こりやすいトラブル

親が亡くなり、相続するものが実家しかない場合、家の名義が「兄弟姉妹」の共有名義になることはよくあります。しかし、共有名義が兄弟姉妹の場合もトラブルが起こりやすいのです。

たとえば、兄が結婚することになり、結婚資金のために自宅を売却したいと思っても、共有者である弟は住む所がなくなるため売却には同意しません。

兄は、実家を売却して売却代金を持ち分割合で分配して、弟にはそのお金で賃貸に暮らして欲しいと思います。ですが、弟からすれば、兄の都合で家を追い出され、実家暮らしでは必要のない賃貸住宅での家賃生活になるので、売却に同意するはずがありません。

ですから、兄弟で住む家を売却するときは、売却後のお互いの生活のことも考慮しながら話し合いをすすめるようにしましょう。

共有名義が「親族」の場合に起こりやすい売却トラブル

遺産相続でマンションが多数の相続人の共有名義になっている場合、相続人の考えがそれぞれ違うため、全員の売却の同意を得ることがとても難しくなります。

通常、相続した遺産は相続人全員の話し合いや、民法で定められた割合を基準とした「法定相続」で分配されます。

しかし、相続する遺産は、現金や株券など、分配しやすいものだけではありません。不動産や貴金属、車など、分配できないものは「誰が所有するか」の話し合いが必要になるのです。

そのため、相続遺産に分譲マンションがある場合は、所有権で話し合いがつかず、とりあえず相続者全員の共有名義にしておくこともあります。すると、マンションを売却する時に、共有者全員の同意が得られにくくなるのです。

そこで、相続が理由で共有名義にしているマンションが売却しにくい理由を3つまとめてご紹介します。

相続で共有名義になっている物件が売却しにくい理由

  • 少しでも多くの遺産を貰いたい相続人が「今、マンションを売ったら安値になる」と、売却の相場を気にして売却に同意しない。
  • 共有名義を登記するときに話し合った「持分割合」に納得していない相続人が、売却に同意しない。
  • 故人に配偶者や子供、父母もいなければ、故人の兄弟姉妹が相続者。しかし、その相続者がすでに死亡している場合は、その子供(甥や姪)まで相続人の範囲が広がります。
    すると、売却の同意を得るための話し合いすらできなくなるのです。

このように、夫婦や親子、兄弟、親族などが共有名義の場合は、一度揉めると、なかなか解決しません。場合によっては家庭裁判所の調停での話し合いになります。

売却に不安を感じたら、訪問査定を受けることをおすすめします。

ここまで、共有名義が売却の障害になる理由や対策法についてご紹介してきました。しかし、はじめて自宅を売る人に不安を与えてしまったかもしれません。

もしも、共有名義の自宅売却に不安を感じるのであれば、不動産会社の訪問査定を受けることをおすすめします。

不動産会社の訪問査定は、物件の価格を査定するだけでなく、名義人などの権利関係の調査も行い、売却が可能な物件かどうかも不動産会社が判断してくれるのです。

そして、価格の査定で自宅の売却予定価格がわかれば、売却に反対する共有者に自分の持分割合を買い取ってもらうときの目安金額も計算しやすくなります。

また、共有名義で売却トラブルが起こりそうな場合は、不動産会社から適切なアドバイスも貰えるので、売主が一人で悩むよりも早く不安や疑問が解決しやすくなるのです。

そこで、売却を依頼する不動産会社がまだ決まっていない人には、無料で気軽に利用できる一括査定サイトをおすすめします。

自宅の売却が決まっていなくても、訪問査定を受けるだけの利用もできるので、気になる人は早速、試してみてください。

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