はじめてマンションを売る人に必要な4つの心構え|売却成功のコツ

自宅マンションを売却する人のほとんどは不動産の売却経験がありません。
そのため、自宅を売りたくても「どうして良いのかわからない」、「何から始めたらよいのかわからない」など、売却活動に不安や疑問を感じるのも当然です。
しかし、なかには「不動産会社に任せておけば安心」と、自宅の売却を安易に考えている人もいます。
ところが、マンションは買うよりも売る方が数倍も大変な作業。
ですから、安易な気持ちで自宅の売却を開始することはおすすめできません。
自宅の売却を成功させるためには「売主になる自覚」が必要です。
そこで、はじめて自宅マンションを売却する人のために「売主になる心構え」についてご紹介します。
「売主になる覚悟」や不動産売買における「売主の立場」など、自宅を売る前に理解しておくべきポイントをご紹介しますので参考にしてください。
目 次
不動産会社に売却を依頼すれば売主は何もしなくていいの?
はじめに、自宅マンションの売却活動における売主の役割を確認しておきましょう。
自宅を売りたいと思った場合、売主が自分で買主を探す人はほとんどいません。
自宅の売却は不動産会社に依頼するのが一般的。
そのため、はじめて自宅を売却する人は「売却活動は全て不動産会社が行うもの」と思い込みがちです。
しかし、不動産会社はあくまでも「売却の仲介」。積極的な宣伝広告活動や顧客への営業活動などにより、購入希望者を見つけるのが不動産会社の主な仕事。
実際に不動産会社が見つけてきた購入希望者と売買契約を結ぶかどうかの最終判断は売主が行わなければなりません。
また、中古マンションの売却活動の過程には内覧(室内見学)があり、売主が内覧に立ち会う場合は、見学者からの質問に直接答えるなどの接客も必要。
このように、自宅の売却を不動産会社に依頼すれば、売主は何もしなくていい訳ではなく、むしろ、売主は積極的に売却活動に参加しなければならないのです。
ですから、売主は自宅を売り出す前に、あらかじめ「自分も売却活動に参加する」という心構えをしておかなければなりません。
では、売主として売却活動に参加する場合、どのような心構えが必要なのでしょうか?

はじめて売主になる人に必要な4つの心構え
そこで、自宅を売却する売主に必要となる「4つの心構え」をまとめてご紹介します。
・自宅売却に対する「強い意思」と「積極的な参加姿勢」を持つ。
・売主は独断で行動せず、必ず「家族の同意と協力」を得る。
・自己資金が減るかもしれない「リスクの覚悟」をしておく。
・売却活動における「売主の立場」をあらかじめ理解しておく。
売主になるための心構えにはその他にも数多くありますが、その中でもご紹介した4つは「はじめて売主になる人」には重要な項目。
とくに「売却活動は全て不動産会社が行うもの」、「不動産会社にまかせておけば安心」と誤解していた人には4つの心構えが必要です。
それでは、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
自宅売却に対する「強い意思」と「積極的な参加姿勢」を持つ。

自宅マンションの売却を成功させるためには、売主の「自宅を売りたいという強い意志」と「売却活動に積極的に参加する姿勢」が大切。
少し大げさにも思えますが、中古マンションの売却はそれだけ大変なのです。
他力本願では自宅は売れません。
自宅の売却を大手の不動産会社に売却を依頼しても、必ずしも売主の希望金額で、かつ早期に自宅が売れる訳ではありません。
ですから、自宅マンションの売却を「不動産会社任せの他力本願」に考えている人がいたら要注意。
とくに中古マンションの売却は、近隣にライバル物件が多い場合、価格競争などの激戦が予想されます。
そのため、売主は自宅を売却する前に、積極的に綿密な売却計画を立てておかないと、自宅が売れ残る可能性すらあるのです。
さらに、中古マンションの場合、家が売れなくても、毎月、管理費や修繕積立金などの維持費用もかかります。
このように、売主が不動産会社任せで無計画にマンションを売り出すと、自宅がなかなか売れず、無駄に維持費用を払い続けることになるかもしれません。
そこで、売主には「必ず売却を成功させる」という強い意志や、あらかじめ綿密な売却計画を立てるなどの積極的な行動が必要になるのです。
価格交渉やトラブルにも負けない強い心
また、中古マンションの売却には、ストレスに負けない忍耐力も必要。
なぜなら、中古物件の売却には買主との厳しい価格交渉があるからです。
買主との価格交渉が難航すると、なかなか売買契約が成立しないことでイライラすることもあります。
さらに、契約の過程でトラブルが発生すると、問題が解決するまでの間、大きなストレスを抱える状態が続くのです。
しかし、そこで売主が諦めてしまったら売買契約は絶対に成立しません。
このように、競争の激しい中古マンション売却市場で勝ち抜くためには「粘り強さ」や「忍耐力」などの「精神力の強さ」も売主には必要です。
売主は独断で行動せず、必ず「家族の同意と協力」を得る。

そして、自宅の売却を成功させるためには、家族の同意と協力が必要不可欠。
売却活動は売主の独断で行わず、必ず家族の同意と協力を得ながら進めることを心がけましょう。
なぜなら、自宅は売主1人だけのものではないからです。家族それぞれに自宅に対する想いがあります。
そのため、家族のうち1人でも自宅の売却に反対している人がいると、家族の協力体制が得られず、自宅の売却が不利になることもあるのです。
では、なぜ、家族の協力体制が得られないと自宅の売却が不利になるのでしょうか?
内覧は最も効果的な販売活動
中古マンションの売却活動には、見学希望者に実際に室内を見てもらう「内覧」があります。
空き家であれば、いつでも内覧が可能。ですが、居住中のマンションの場合は、売主もしくは家族の誰かが立ち会わなければなりません。
ところが、内覧は見学希望者のスケジュールに合わせて実施するのが原則。なので「今から室内見学をしたい」と、不動産会社から突然に連絡が来ることもあります。
このような場合、日頃から家族の協力体制があれば、売主の都合が悪くても家族の誰かが立ち会ってくれるので、いつでも内覧を行うことが可能。
しかし、売却に反対している家族がいる場合は、内覧の申込みを断る機会が増えるので、それだけ売却の機会を逃してしまうことになるのです。
自宅売却の成功は家族が幸せに暮らせること
また、自宅が高く売れたとしても、その後、家族が幸せに暮らせなければ自宅の売却が成功したとは言えません。
家族の反対がある中で売主が自宅売却を強行した結果、家族の仲が悪くなってしまうこともあります。
いくら自宅を売却して立派な新居を購入しても、家族の仲が悪ければ「生活の満足度」も低下。場合によっては、自宅の売却を後悔することにもなります。
とくに、住環境の変化は心の健康に強い影響を与えるため、お子さんが自宅売却に反対していた場合は、売却後の心のケアに注意が必要です。
このように、自宅の売却は、売主が独断で決行してはいけません。
家族の同意と協力を得られなければ「満足度の高い自宅売却」ができなくなるのです。
自己資金が減るかもしれない「リスクの覚悟」をしておく。

また、売主は自宅を売却した結果、預貯金などの自己資金を減らすことになるかもしれないリスクの覚悟も必要です。
自宅を売るときには、売主であれば誰もが少しでも高値で売りたいと考えます。
しかし、中古マンション市場は競争が激しく、さらに買主との価格交渉もあるため、売主の希望価格で売れることはほとんどありません。
とくに、自宅の売却で住宅ローンを完済する計画がある人は要注意。
中古マンションが実際にいくらで売れるかは、不動産会社でも予想できません。
そのため、自宅の売却価格が予想以上に低く、売却代金で住宅ローンを完済することができなくなる場合もあります。
そして、自宅の売却代金で住宅ローンを完済できなければ、不足分は預貯金などの自己資金で補てんしなければなりません。
ですから、売主はあらかじめ売却のリスクを覚悟しておかないと、自宅の売却を後悔することにもなるのです。
そこで、はじめて自宅を売却する人が失敗しやすい誤算のケースを2つご紹介します。
売主は自宅を過大評価しがちです。
自宅マンションは、長年住んでいて愛着もあるため、自宅を過大評価しがちなので要注意。
たとえば、新築購入時にオプションをたくさんつけていたり、高級なシステムキッチンに入れ替えたとしても、決して高い価格で家が売れる訳ではありません。
買主の趣味に合わなければ、むしろ物件に対する評価は低くなります。
そして、どれだけ高級な室内設備であっても、新品でなければ単なる中古設備の扱いです。
また「夜景がきれい」、「日当たりが良い」などの評価も、人によって感じ方が違い、数多くの物件を見ている買主には、物件アピールにならない場合もあります。
マンション購入価格は売却価格とは関係ありません。
そして、はじめて自宅を売却する人が最も勘違いしやすいのが「マンション購入時の価格」。
いくら新築購入時の価格が高くても、売却する時は中古物件としての評価になります。
そのため、築年数が浅くても、近隣の中古マンション相場や室内の使用状態などで、購入時よりも売却価格が大幅に値下がりする可能性もあります。
ですから、せっかく購入希望者が見つかったのに「もっと高い価格で買ってくれる人がいるのでは?」と期待して、売却機会を逃してしまわないように注意しましょう。
このように、はじめて自宅を売却する人は、自宅を過大評価しすぎる傾向があるので、注意しなければなりません。
そこで、売主が判断を誤らないようにするためには、不動産会社の意見を参考にすることが大切です。
自宅の評価は訪問査定時の不動産会社の意見を参考にしましょう。
売主が自宅を売却する不動産会社を決める時には、訪問査定を受けるのが一般的。
訪問査定とは、不動産会社が実際に現地で調査を行い評価する査定方法。
そして、査定を行った不動産会社が「査定価格」を売主に提示する場合「価格の根拠」も必ず説明しなければなりません。(宅地建物取引業法第34条の2第2項)
そのため、不動産会社の訪問査定を受けると、より正確な「売却価格の相場」がわかるので、売主が自宅を過大評価しすぎることを防ぐことができるのです。
さらに、正確な売却相場が知りたければ、複数の不動産会社から訪問査定を受けることをおすすめします。
複数の訪問査定を受けると、各社の査定価格や物件に対する評価を比較できるので、売主はより正確な情報を得ることができるのです。
なお、不動産会社に訪問査定を受けても、費用が発生することはありません。また、必ず自宅を売却する必要もありません。
まだ、1度も自宅の訪問査定を受けていない人は、気軽に利用できるインターネットの不動産一括査定サイトなどを利用して、自宅の資産価値を確認してみましょう。
おすすめの一括査定サイト『 HOME4U 』
「HOME4U」は不動産一括査定サイトのなかで、最も知名度の高いサイトです。
NTTグループが運営しているので、個人情報管理の信頼度が高く、安心・安全に利用できます。
また、厳選された全国約900社の優良企業の中から、自宅の売却に適した会社を紹介してもらえるので、売却を依頼する不動産会社がみつかりやすいのも人気の理由です。
おすすめの一括査定サイト『 マンションナビ 』
「マンションナビ」は分譲マンションの売却専門の不動産一括査定サイトです。
マンションの売却を得意とする不動産会社を紹介してもらえるので、中古マンションを売りたい人におすすめ。
また、売却だけでなく業者買取りや賃貸運用の査定も受けられるので、自宅を売るかどうかで迷っている人も利用しやすいサイトです。
売却活動における「売主の立場」をあらかじめ理解しておく。

そして、自宅の売却を決意したら、買主や不動産会社に対する「売主の立場」を理解しておくことも大切。
初めて不動産売却を経験する人のなかには、売主の立場を勘違いしている人も多いのです。
では、自宅マンションの売買契約において、売主はどのような立場にあるのでしょうか?
そこで、不動産売却における売主と買主の「力関係(パワーバランス)」について見ていきましょう。
売主の立場は「売却物件」や「売却条件」によって変動します。
小売業など、商品を販売する業界では、広告などの宣伝活動や営業マンによる売り込みを行うことで購入希望者に商品を買って貰うのが一般的。
つまり、買主は「お客様」。いくら良い商品でも、購入希望者がいなければ商売は成立しません。
そのため、商売の世界には「売主<買主」の「力関係(パワーバランス)」が存在します。

しかし、不動産売買の場合は、売主と買主の立場がとても微妙。
なぜなら、物件の人気度や売買条件によって、立場が逆転することもあるからです。
人気物件・好条件の場合は「売主>買主」
誰もが欲しがる人気エリアの好条件のマンションであれば、売主は強い立場に立つことができます。
人気物件の場合は、購入希望者がいくらでも見つかります。
ですから、売主は買主からの値下げ交渉などにも応じず「希望価格で買ってくれる人が見つかるまで売らない」と、買主を選ぶこともできるのです。
人気物件の場合の売主と買主のパワーバランス
しかし、条件の悪い物件の場合は、売主の立場が逆転します。
条件の悪い物件の場合は「売主<買主」
築年数が古い、駅から遠いなど立地条件が悪い、殺人事件が起きた事故物件など、人気のない物件は、購入希望者がなかなか見つかりません。
このように売却が難しい物件の場合は、売主よりも買主が強い立場になります。
そのため、買主は売主に対して、価格の値引きや契約条件の変更を要求することも可能。
もちろん、納得がいかなければ買主からの申し出を売主は拒否できます。
しかし、買主からの値引き交渉や条件変更に応じないと、売却の機会を逃すことになるため、売主はある程度の条件交渉に応じなければなりません。
条件が悪い物件の売主と買主のパワーバランス
そして、最も売主が注意しなければならないのが「一般的な物件」の場合。
一般的な物件の場合の売主の立場は微妙。
特別人気がある物件ではないけれど、立地条件や環境も悪くなく、時間さえかければ購入者が必ず見つかるような一般的な物件の場合は、売主の「立ち位置」に要注意。
条件が悪い物件であれば、積極的に交渉に応じる必要がありますが、一般的な物件の場合は、交渉に応じなくても良い買主が他に見つかるかもしれません。
そのため、値引き交渉や契約条件の変更に応じるか応じないかは売主の判断次第なのです。

売主が強気になり交渉に応じなかった場合、契約が流れてしまう可能性が高くなります。
しかし、次にいつ購入希望者が現れるかはわかりません。
ですから、売主が契約交渉に応じるか応じないかは慎重に判断する必要があります。
とくに、はじめて自宅を売却する人は、先にご紹介したように、自宅を過大評価しがち。
「もっと良い条件で買ってくれる人がいるはず。」と期待して、せっかくの売却機会を逃してしまわないようにしなければなりません。
売主が判断に困った時は不動産会社に相談しましょう。
もしも、売主が購入希望者からの価格交渉に応じるかどうかで迷った場合は、1人で決断せず、不動産会社の担当者に相談しましょう。
信頼できる担当者であれば、これまでの物件に対する反応の状況などから公平に判断して、売主に良きアドバイスをくれるので判断の参考になります。
しかし、担当者が自身の営業成績重視の人物の場合は要注意。
このような人物が担当者の場合は、売主の利益を考えず、無理にでも購入希望者と売買契約をまとめようとします。
そのため、売主が相談しても公平な判断でのアドバイスは期待できません。
ですから、売主は信頼できる不動産会社を選ぶ必要があることも心得ておきましょう。
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