中古マンションの売却を有利にする評価制度|マンション環境性能表示とは?

中古マンションの売却を有利にする評価制度|マンション環境性能表示とは?

近年、家電製品を購入するときに、広告やカタログなどで、製品の省エネ性能を「★」の数で表示した「省エネルギーラベル」を商品選びの参考にした人も多いと思います。

しかし、商品の省エネ性能をラベル表示しているのは家電製品だけではありません。

現在では、新築マンションの一部でも、住宅の省エネ性能や環境問題への取り組み度を示した「環境性能表示ラベル」が広告やカタログに掲載されています。

ところが、環境性能表示ラベルの存在は、一般的にはあまり知られていません。

ですが、ラベルには買主が気になる「建物の省エネ性能」が表示されているので、評価が良い物件は売却時も有利になります。

そこで、売却時の物件アピールに役立つ「マンション環境性能表示」についてご紹介します。

これから自宅マンションを売却する人だけでなく、買い替えを検討する人も参考にしてください。

はじめに、マンション環境性能表示とはどのような制度なのか、誕生の背景などの概要から見てみましょう。

マンション環境性能表示とは

マンション環境性能表示とは、一定規模以上の新築マンションの広告に、建物の省エネ性などがわかる「環境性能の表示」を義務化したラベリング制度です。

マンション環境性能表示とは引用元:東京都環境局-マンション環境性能表示

この制度は、平成17年(2005年)10月に、新築分譲マンションの販売広告を対象に東京都が開始。

そして、平成22年からは、新築賃貸マンションの広告も表示対象になりましたが、対象外の物件でも一定条件を満たせば、自主的な広告表示(任意表示)はできます。

このように東京都が開始した「マンション環境性能表示制度」は、その後、他の自治体でも導入されるようになりました。

現在では、神奈川県、静岡県、兵庫県などの都道府県や、名古屋市、大阪市、京都市などの市や区など、全国20以上の自治体で、環境性能表示制度が実施されています。

ではなぜ、東京都は「マンション環境性能表示」制度を実施したのでしょうか?

マンション環境性能表示誕生の背景

「世界の都市総合力ランキング」(都市戦略研究所2017年概要版)によると、ロンドン、ニューヨークに続いて、東京は世界で3番目に「都市力」が高い都市です。

分野別総合ランキング引用元:森記念財団 都市戦略研究所-分野別総合ランキング

都市力とは、経済や交通アクセス、居住、環境、文化、研究・開発の6分野で評価される「都市の力」を評価したもの。

ところが、東京の現状は、便利な生活ができる反面、緑の減少による大気汚染やヒートアイランド現象、廃棄物やごみの増加などの環境問題も深刻化しています。

そのため、東京都では環境問題への取り組みを開始。
全国に先駆けて、平成12年2月に「建築物環境計画書制度」を実施しました。

「建築物環境計画書制度」とは、ホテルや百貨店など、大規模建築物の新築や増築の際、事前に「環境問題への配慮を記した計画書」を自治体に提出して評価を受ける制度。

そして、平成17年になると「建築物環境計画書制度」の「家庭部門」として「マンション環境性能表示制度」が誕生したのです。

それでは「マンション環境性能表示」がどのようなものなのか、具体的に内容を見てみましょう。

なお、各自治体によって評価基準が違うので「東京都のマンション環境性能表示」を例に詳しくご紹介します。

東京都マンション環境性能表示制度の概要

東京都では「マンション環境性能表示制度」を導入することで、主に3つの目標の実現を目指しています。

東京都マンション環境性能表示制度の3つの目標

販売物件や賃貸物件に「環境に配慮したマンション」の選択肢を増加。
売買や賃貸市場において「環境に配慮したマンション」の評価を向上。
マンションの建築主の「自主的な環境配慮への取り組み」の促進。

このように、東京都では「環境に配慮したマンション」の資産価値の向上や建設の促進を主な目的としています。

しかし、全てのマンションに表示義務があるわけではありません。

そこで、環境性能表示の対象となるマンションの条件をご紹介します。

環境性能表示の対象となるマンションの条件

東京都の場合、環境性能表示の義務があるのは「延べ床面積5,000㎡」を超える新築もしくは増改築を行う建築物です。

ちなみに「延べ床面積」とは、マンションの各階の床面積を合計のこと。

ちなみに「延べ床面積」とは、マンションの各階の床面積を合計のこと。

しかし、不動産の知識がなければ「延べ床面積5,000㎡以上」と言われても、建物の規模が想像できません。

そこで単純計算してみると、一戸当たり70㎡のマンションの場合「総戸数72戸以上」あれば、延べ床面積は5000㎡を超過。(70㎡×72戸=延べ床面積5,184㎡)

ですから、一般的には総戸数100戸規模の「大規模マンション」(*)と呼ばれる建物が環境性能表示の対象になります。

*建築物環境計画書制度で計画の届出義務の対象となる建築物のうち住宅用途のもの。

なお、住宅以外にも利用されている複合用途の場合は、住宅用途の延べ床面積が2,000㎡以上で対象になりますが、5,000㎡までであれば自主的な表示(任意表示)も可能です。

環境性能表示の表示内容と表示方法

環境性能表示の対象となる新築マンションの建築主は、建設計画の段階で、環境への配慮を記載した「建築物環境計画書」を東京都に提出して評価を受ける義務があります。

そして、計画書を提出した対象マンションの「間取り図を表示した広告」には、必ず環境計画書に基づいた「環境性能表示ラベル」を表示しなければなりません。

そして、計画書を提出した対象マンションの「間取り図を表示した広告」には、必ず環境計画書に基づいた「環境性能表示ラベル」を表示しなければなりません。
ただし、ラベルに掲載する等級の評価は、各自治体が審査したものではなく、建築物環境計画書で申告した内容に基づいて、建築主が評価した「自主評価」。

そのため、表示が義務付けられている「5項目」について、建築主が「★~★★★」の3段階で評価を行い、その結果を自治体に届け出てラベルに掲載します。

環境性能表示義務がある5項目と主な評価内容

表示項目名評価内容
建物の断熱性断熱材などの使用による建物の断熱性能を評価
日本住宅性能表示基準の省エネルギー対策の等級を使用
設備の省エネ性マンション専用部分の付帯設備の省エネ性能を評価
主な評価対象は、給湯、床暖房、床暖房付き給湯システムなど
太陽光発電・太陽熱太陽光発電や太陽熱利用設備の導入を評価
設置がない場合は星(★)評価なし
建物の長寿命化建物の維持管理や修繕、交換や用途変更のしやすさ、経年劣化対策などを評価
みどり東京都や各区の緑化基準を満たしているかを評価
敷地に対する緑化面積が30%以上で最高評価(★★★)の対象になります。

東京都マンション環境性能表示ラベル見本

マンション環境性能表示とは引用元:東京都環境局-マンション環境性能表示

ラベルに表示された評価の見方

星マークの数評価
最低限の水準で環境への配慮が行われている
★★各種法令以上の環境への配慮が行われている
★★★環境への配慮の取り組みが最も優れた水準で行われている

ラベルに表示された環境性能の評価結果は、掲載が義務付けられている広告だけでなく、東京都のホームページでも公開されています。

では、環境性能表示ラベルはどのような広告媒体に掲載されるのでしょうか?

環境性能表示の掲載が義務付けられている広告物の種類

東京都の場合、マンション環境性能表示は販売物件や賃貸物件を問わず、対象となる新築マンションの「間取り図付き広告」に、ラベルの表示義務があります。

なお「間取り図」を掲載した広告であれば、広告媒体も問いません。

マンション環境性能表示の掲載対象となる主な広告媒体

  • 新聞や雑誌への掲載広告
  • 新聞折り込み広告、チラシ、ビラ類
  • パンフレット、ダイレクトメール
  • CD、DVD 、ビデオテープ
  • インターネット広告など

また、環境性能表示は「広告に表示する期間」にも一定の決まりがあります。

マンション環境性能表示の表示期間

マンション環境性能表示は「販売や賃貸の広告が終了した日」もしくは「建設工事が完了した日の翌日から1年経過した日」のいずれか早い日が表示義務期間になります。

そのため、表示義務期間を過ぎるまで、広告からラベル表示を外すことはできません。

このような内容で、東京都は「マンション環境性能表示制度」を実施。
新築マンションに対して環境への取り組みを普及させる努力を行っています。

そして現在では、東京都以外でも「環境性能評価制度」を実施する自治体が増えていますが、評価基準や評価項目、ラベルデザインは自治体によって違うので注意してください。

そこで、東京都との違いを知るために「大阪市」と「埼玉県」の環境性能表示ラベルや制度内容を見てみましょう。

大阪市建築物環境性能表示ラベル

大阪市建築物環境性能表示ラベル引用元:大阪市-大阪市建築物環境性能表示制度

大阪市では、平成16年5月から、マンションやオフィスビルなどの建築物を対象に環境評価制度を実施しています。

そして、平成24年4月には、新たに「大阪市建築物の環境配慮に関する条例」も制定。

現在では「CASBEE大阪みらい(大阪市建築物総合環境評価制度)」として、床面積2,000㎡以上の新築建築物に、計画書の届け出や広告へのラベル表示の義務があります。

なお、大阪市の場合は「5段階」での評価が必要。また、ラベルには「評価の有効期限」の表示義務もあるので、東京都よりも厳しい基準で環境性能表示が実施されています。

埼玉県分譲マンション環境性能表示ラベル

埼玉県分譲マンション環境性能表示ラベル引用元:埼玉県-分譲マンション環境性能表示制度の概要

埼玉県では「特定建築物環境配慮計画書」の対象となる、床面積2,000㎡以上の分譲マンションの販売広告を対象に「分譲マンション環境性能表示」の義務があります。

*ただし、さいたま市、川越市に建築する分譲マンションは対象外。

そして、埼玉県のラベル表示の特徴は、緑化率やCO2削減率を数字(%)で表示して、具体的な環境への取り組み項目を表示していること。

このように、評価基準やラベル表示の内容は各自治体で全く違うので、これから買い替えで新築マンションを購入する予定の人は、ラベルの表示項目に注意しましょう。

「マンション環境性能表示制度」を売却時に利用しましょう。

ここまで「マンション環境性能表示制度」について詳しく見てきました。

環境性能評価は、建築主の自主評価はありますが、自治体に計画書を提出する必要があり、広告にはラベル表示が義務付けられている厳しい制度です。

しかし、このラベルに掲載されている環境性能評価は、宅地建物取引業法による契約時の「重要事項説明」には該当しない項目。

つまり、環境性能表示の評価内容は、必ずしも売買契約時に買主に説明する必要はありません。

ですが、ラベルに5つ星や3つ星などの最高評価があれば、自宅マンションの「付加価値」となるので、売却活動中の物件見学者へのアピールには利用できます。

そこで、環境性能評価を受けたマンションを売却する売主は、自宅購入時の「ラベル表示があるパンフレットや広告」を残していないか探してみましょう。

そして、ラベル表示がある広告物が見つかったら、すぐに不動産会社の担当者に渡しておくことをおすすめします。

すると、担当者は室内見学者にラベル表示を見せながら「省エネ性能の優秀さ」を積極的にアピールしてくれるので、通常よりも売却活動を有利にすることができるのです。

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